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◆その他国内の作家さんの作品の感想文
ミステリタウンさんに書き込んでいるものをバックアップ代わりにupしています。
難病にかかって短い生涯を終えようとしているわが子に「生まれてきてよかったか」と問いかけた妻に、
昔息子と会っていると語り始めた拓実。ミステリというよりはファンタジー?なストーリー。
過去の父を救う息子、その息子の存在がなければ自分も存在しなかった?未来は変えられない?
色々なキーワードがありましたが、当時の拓実と現在の自分がとても似ているような気がして、
トキオの言葉ひとつひとつが心にしみました。 「トキオ」という名前もどうなのって思いましたが、 まんざらジュリーと無関係でもなかったんですね。個人的にとても嬉しいです。 ▲タイトル一覧にもどる
「ぶたぶた」でおなじみの矢崎さん。私もぶたぶたしか知らない1人でしたが、
どんな作風なのかなと興味を持ち読んでみました。
(実は1作品だけ以前にアンソロジーで読んだことがあったようなのですが、
「初出一覧」を見るまで気づきませんでした)今回のは16編からなる短篇集というのか、ショートショートというのか。 ホラー的な色合いのものが多かったので大変意外に思ったのですが、どれも怖くて、 それでいて悲しくもあり切なくもあり、十分楽しませていただきました。 今後も注目していきたいと思います。 ▲タイトル一覧にもどる
「ゆび」の続編的作品。頭部だけを吹き飛ばされた死体が相次いで発見され、成合警部補る確信を持つ。 1プラス1イコール2というようなわかりやすい結末でなかったので、 私には不可解に感じられる内容でなじめませんでした。そこまでやるかというような残虐性も、 柴田さんのほかの作品と比較してあまりにも突飛な感じで引いてしまいました。 ▲タイトル一覧にもどる
サブタイトル「猫探偵正太郎上京」。同居人の突発的な上京につき合わされ、その夜にいきなり人間と猫の死体の発見者となった正太郎。 第一弾を読んでいないのですが、これはこれで単独作品として楽しく読むことが出来ました。 あり得ないことだけど、もしかしたら日常的にこういうことはあるのかもと思わせられる 夢溢れる作品でした。 ▲タイトル一覧にもどる
1975年の渋谷にいたノンノ、チアキ、ナッキー・・・21年後に明らかになるそれぞれの思惑と真実、
奇想天外と思えるような計画のもと作られた出会いと偶然からもたらされた犯罪など、
殺伐としていながらも同世代の人間やその時代のロックをなつかしむ人間にはたまらなく懐かしい
空気がこの作品には流れていると思います。
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村上緑子シリーズ第二弾。出産し、安藤と入籍しないまま妹の協力を得ながら子育てと仕事を続ける緑子に新たな壁が立ちふさがる。
・・・今回も緑子は実に危険な、考えようによっては、人によっては耐え難い目にあいながらも刑事として、女としてことに立ち向かっていきます。私にはこの緑子という女性はやや理解を超えた存在で、長い長い格闘の物語を読んだ後にはやや重い疲労すら感じてしまうようです。素晴らしい作品なのだろうというのはわかるのですが・・・。
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社内恋愛が終わり、退職を勧告されながらも居座る秋穂。
何気なく入った宝石店で女性客が忘れていった指輪をこっそり持ち帰るが、
その夜自室に男が押し入りレイプされてしまう。その後も不思議な事件が秋穂の周囲で起こる。あまりに現実離れした事件ばかりなら「ありえない」の一言で笑って 「ダメ」の評価を下せるところですが、柴田よしきさんは現実に起こりうることとそうでないことを うまくミックスしている(と思う)ので、 やや無理があるかなあと思いつつもついつい主人公を応援させられてしまいます。 武生という純粋な青年と秋穂との恋はある種理想かも。 ▲タイトル一覧にもどる
様々な場面に出現する「指」が、ボタンを押して人々の背中を押す。
しかしそれは単なる不思議な現象ではなく、やがて大量殺人事件を引き起こすようになる。様々な要素が絡み合って起こった説明のつけがたい恐ろしい殺人事件。 読み終わった今もその細かなところに説明ができません。 現実世界にはとうてい起こりうることはないだろう、と思える内容であることには 変わりありませんが・・・正直なところホラー色丸出しの作品は少し苦手かも。 ▲タイトル一覧にもどる
政府公認の自治地区は吸血鬼が住む村。そのV村出身で現在は外の世界で探偵を生業に暮らすメグが、
許可なくしては立ち入りを許されないV村に行ったとされる美しい青年の捜索依頼を受け、
信じがたい殺人事件に遭遇する。 吸血鬼の村という一見笑える設定を大真面目に描いていて、軽い感じでさらっと読める作品。 よく読めば確かに納得できる殺人事件(もどき)の真相も、この設定ならでは。 ▲タイトル一覧にもどる
京都で地質調査会社の技師として働く香流。ここ最近の水位の急激な低下に違和感を感じていた矢先、
見合いで出かけた先で大規模な地震に遭遇、その後信じがたい出来事に翻弄される。 これは、いわゆる妖怪ものというジャンルでしょうか? あまりこういった超常現象系に慣れていないもので、 楽しくはあったんですがそのあまりにもグロい殺戮の場面の描写にはやや引きました。 ▲タイトル一覧にもどる
完全な男社会である警察組織に生きる緑子。桜田門での上司との不倫でその妻に襲われ、
現在は所轄署に所属している。美少年の輪姦ビデオをきっかけに合同捜査をすることになり、
過去と現在の恋人、親友への感情に揺れながら事件を捜査する。 いわゆる女刑事ものというのは、主人公が女であることを強調しているか否か、 簡単に言ってしまえばそれだけに分類されるのじゃないかと思います。 性描写が多いとやや食傷気味になるときもありますが、今回は許せる範囲かなという感じ。 ただ、緑子のことを他の刑事が「携帯灰皿」呼ばわりしたのに嫌悪を感じつつも、 緑子のあまりの奔放さ(少し語弊がありますが)に納得もしてしまったりして。 ▲タイトル一覧にもどる
「不思議の国のアリス」の登場人物が紗季の前に現れ、過去の不倫相手の死、友人の死、
死体らしきものの目撃、購入したマンションでの老人達との出会いなど、
様々な出来事が立て続けに起こる。何かを思い出さなければならないと混乱していく紗季・・・。ただ文字を追って読んでいればいいというものでなくて、 そこここにラストを予測するためのヒントがちりばめられているんですね。 終わってもいまひとつ真相が理解できなかったのですが、解説をよく読むとちゃんとわかります。 ただ、過去のアリス体験がベースになっているとはいえ、 全体的にあまりにも芝居がかっているように思えて、少しばかり引きました。 ▲タイトル一覧にもどる
中学時代の新聞部のメンバー4人と、その当時部の顧問をしていた元教師の浅間寺。
彼らそれぞれを描いている連作集で、それぞれの心の機微と事情がとても繊細に綴られています。
柴田よしきさんの短篇はいくつか読んだことがありましたが、
きちんと一冊通して読むのは初めてでした。こんなに切なく美しい、
それでいてわざとらしくない物語を書かれるとは全く知らず。
久々にさわやかな感動を味わいました。
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