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◆小池真理子さんの作品の感想文
ミステリタウンさんに書き込んでいるものをバックアップ代わりにupしています。
お友だちが郵送してくれて入手した本。それまで小池真理子さんという名前は知っていても、
読んだことがなかったのです。このお話は山荘に逃げ込んできた殺人犯の人質になるという、 これまた現実感のなかなかないお話ですが、 結末であっとどんでんがあり主人公の気持ちの変化も手にとるようにしながら興味深く読めました。 しかし・・・ツワモノやのう・・・ ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
小説家であり愛人であった仙波雅之の死から15年、
独りでひっそりと生きる繭子のもとに彼の息子で同い年の俊之から手紙が届いた。父の事を聞きたいという彼に会い、 父である雅之の影を追い求めながらも俊之自身にも惹かれる繭子・・・という流れでは、 小池さんの作品にはありがちなといっては失礼ですが、 どこかで読んだようなパターンだ、とも考えていました。 ですが俊之が繭子の前に現れたことそのものを覆すような、 繭子の姉の発言から事態や私の注目度は大きく変わりました。 結局客観的な結末というのがどうなのかは理解できないままだったのですが、 ここでも「欲望」同様に、愛とはなんなんだろうと考えさせられました。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
妻のいる男に恋し、男は一回り以上も年上の妻に離婚を切り出せない。
そんな二人には死しか残されていなかった。
二人は男の親友の山荘の鍵を持ち出し、心中する覚悟を決めて旅立った。
しかし、そこにいち早くそれを察知した男の妻が駆けつけ、
事態は予想もしなかった方向へと流れてゆく。私の場合、早い話が「不倫」と呼ばれる恋の結末が「死」という考え方は持ち合わせていないので、 もちろん絶対にそんなこと考えないという確約などはないのですが、 このお話に登場する男女の心理はちょっと理解に苦しむものではありました。 でも、タイミングの悪さから心中は失敗し、結局二人とも命を助けられることになってからの感情の流れは、 当たり前すぎるほどに普通の考えで、私が同じ立場に立ってもやはりそう考えるだろう、 頑張れ、と応援しながら読んでいました。 死に向かう時の心理状態というのは、そんなにも高揚感溢れる心地よいものなんでしょうか? 日々バタバタで精一杯の私には、ちょっとまだそれどころじゃないです(笑) ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
タイトル通り「恐怖」がいっぱい詰まった短編集です。
久しぶりに小池さんの作品を読んだのですが、さすが小池さん、とうならせていただきました。
この短編集は多少ホラー的な要素も含まれるものもあったので、 非現実的に感じることもありましたが、 最後に収録されていた「霧の夜」が私は一番怖かったです。 極限状態に追い込まれてちょっとおかしくなっちゃった〜みたいな人の犯す犯罪より、 ちょっとずつタイミングがずれたがゆえに起こる悲劇のほうが、恐ろしさを感じます。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
見知らぬ男を撥ねた「と思い込んだ」芽衣子がその男が自分のせいで死んだと思い込み、
殺人罪から逃れるためにある計画を思いつきます。たまたま出会ったルンペンの男に計画を打ち明け、やがてそれを遂行する二人。 芽衣子という女性が、親の遺した財産で十分に生活していける環境であるというところからして私には現実味のない話なのですが、 実際世の中にはそういう羨ましい人もたくさんいるのでしょう。 そうやって考えを変えて読んでいくと、世にも悲しい勘違いからくる悲劇なんですね、 このお話は。勘違いから全てが始まったといっても決して笑える結末ではなく、 それを勘違いと気づくことが不可能な状況ばかりが重なってしまったのですから、 これこそ本当の悲劇です。 ルンペンの男=龍太もまた勘違いからくる罪悪感にさいなまれていたわけですが、 これは一体誰が悪くてこんな結末になってしまったのかと考えても、 誰かの悪意が発端ではないのです。 なんともいえない悲しみが読んだ後に心の中に広がりました。後味が悪いというのとは違うのですが、時間を戻して芽衣子に全てを教えてあげたい気持ちです。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
「伽藍」という言葉を使ったことも聞いたことも(・・は、
もしかしたらあったかもしれないけど)なかったですし、
辞書で調べた今も実は意味がいまひとつわかりません。
が、この作品を読みこの作品のタイトルとして使われた意味はなんとなくわかる気がしています。
とても長く重く、読んでいて爽快感を感じたりミステリを読む時のぞっとするような感触を味わうことはない、
独特の雰囲気を持った作品でした。
恋愛小説、どうしてもジャンル分けをするのであれば、この作品もやはりそう分類するべきなのだとは思います。
唯一、ラストシーンの軽井沢駅。この部分では本当に良かった、と嬉しい気持ちになれました。
小池さんにはこれからも、もっともっとこのような作品を書いて欲しいと改めて思いました。
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彼女の存在そのものが持つ空気、官能的な魅力に、
接する男を狂わせる不思議な女性・阿佐子の少女時代から大人になるまでの物語。連作集のようになっていて、それぞれ年齢が添えられています。 私は女性として、こういった「そこにいるだけで人を狂わせる」女として生まれて来なかったので(笑)、 うらやましいと思う反面、もって生まれたものが自分の意識とは逆の方向に作用することもあるということに対しては 「ブサイクでよかった」と変な安堵を感じたりもします。 ただ、これ、ラストはかわいそうだったなぁ 。かわいそう、って適当な言葉じゃないかもしれないけれど。かわいそうだと思いました。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
「〜〜の家」というタイトルの短篇ばかりが集められた短篇集。
以前アンソロジーで読んだことのあった「花ざかりの家」も収録されています。過去に封印してしまった「家」にまつわる様々な記憶を思い出すとき悲劇が明るみに出る、 というパターンの作品ばかりです。 記憶というのは自分の都合のいいように作り変えられているということが多く、 大人になって子供の頃のことを知る人間とその頃の話をしようとしても食い違うばかりかお互いがどれが事実かを判断しかねるということも珍しくありません。 それがたわいもないことならば別に笑い話ですむのでしょうが、 こと人の命やそれからの人生に多大な影響を及ぼしたことだとしたら・・・・。 昔自分が住んでいた「家」のことを思い出すのが恐ろしくなりました。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
恋愛とは呼べない、呼ばないであろう感情の動きを描いている(と思う)短編集です。あんなにも壮絶な愛の世界を表現することのできる小池さんだからこそ、 こういったお話もとても丁寧で行き届いている印象を受けました。 私は最後に収録されていた「シャンプーボーイ」が好きです。 ドロドロせずいやらしくもなく、爽やかなお話。 通常の生活で持つべき社会通念では考えられないことを実現してくれ、 いい気分に浸ることが出来ました。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
唐沢家の三兄弟にそれぞれ嫁ぎ、義父のおかげで親友同士のようにつきあってきた三人の嫁たち。
義父が再婚した相手の連れ子であった有沙と合わせて四人の女を愛してくれた義父が、
雪が降った別荘に現われず何者かに殺された。
別荘には嫁たちを苦悩させる内容の手紙が届き、四人の女を恐怖におとしいれた・・・義父を殺害した犯人はすぐに判明するのですが、 そこからの長男の嫁であり事件の3年前に夫と義父の再婚相手を有沙の運転が原因で起こった事故によって失った妃佐子の苦しみは、 感情移入して私までが興奮状態に陥りそうになってしまうくらいでした。 とても複雑なようでいて、実は単純なお話かと思ったり、 いや実は逆かと思ったり・・・忙しい、でも悲しいお話でした。 私は読んでいる途中ではっきりと有沙を憎みましたが、 実は彼女は自身が言うような性悪女ではありませんでした。それは救いではありましたが。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
小池さんらしい、というほど沢山の小池さんの作品を読んでいるわけではないのですが、
「そうそう、こんな感じなんだよねー」と思えるようなショート・ショートミステリーが15篇も詰まった一冊。
深く考える必要もなくさらっと読め、 オチがすぐにわかる上に「あっ!」と驚かされるものばかりなので、 とても爽快な(というのも変ですが)気分で一冊をあっという間に読み終えました。 最後に収録されていた「四度目の夏」は、 短篇なのに次々とタイミングの悪いことが起こってどんどん窮地に追い込まれていく夫婦の様子が手にとるように伝わり、 まさに手に汗にぎりながら結末を見守りました。印象に残っています。 是非とも、またこんな感じの短篇集が読みたいです。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
独身で書店勤めをしている比呂子は、
既婚者である彼とのデートのために借りたマンションで一人で彼を待っていた夜、
真上の部屋で悲鳴と物音を聞いてしまいます。
翌日になってその部屋で住人の女性が死体となって発見されますが、
自分と彼との関係が公になることを恐れて証言をためらいます。・・・誰でも比呂子の立場に立てば、同じことで悩むと思います。 比呂子は結局は誤認逮捕された男の弁護士に全てを打ち明けることになりますが、 もし私だったら、そのまま黙って自分には関係ないこととして忘れてしまうよう努力するかもしれません。 ただこのお話では比呂子の前に、誤認逮捕された男の兄が現われて比呂子が彼を愛してしまうようになるので、 その彼への罪悪感が最も強い証言への原動力となったのだと思います。 真犯人が思いもよらない所にいたことで、 ただの甘ったるいお話に終わっていないところが小池さんらしく、 少々重い終わりではありましたが、うーーーむ。と唸りつつ読ませて頂きました。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
この作品って、小池さんの作品の中ではメジャーなものなんでしょうか。
よくはわからないけれど、私の中では小池さんといえば「プワゾンの匂う女」かなというような勝手なイメージのようなものがありました。
なので、いよいよこのお話を読むというときはちょっととっておきの場所で、
とっておきの時間に読もうと思っていました。
でも、なかなかそんな機会ってないんですね。
仕方ないので、早く読みたかったしということで新幹線や電車での移動の機会のお供にすることにしました。
おかげで、あっという間に読み終わってしまいましたが。冒頭で、婚約者をカーニバルの出演者に邪魔されて死なせることになった場面が登場したので、 裏表紙のあらすじから想像して、そのときの出演者を次々と鮮やかに殺していく復讐のお話なんだな・・・と思いました。 プワゾンの香りを漂わせながら。 確かにその通りのお話だったのですが、復讐を企てた女性には本来の彼女と違う正反対の人格が住みついていて、 その事実を最後の犠牲者になろうとしていた男性の元妻が知ったときには二人の人格がいつ入れ替わるかわからないという状態で、 読んでいてとてもハラハラしました。 ラストで女性の担当医であった人からの手紙という形で精神分析的な説明がなされていましたが、 あれは私は別になくてもよかったのではないかなと。言葉での説明などなくても、 別の人格を持ってしまった女性のことは、何となく理解ができるような気がします。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる
「蜜月」というタイトルからして、なんとなく妖しげな感じのする(妄想しすぎ?)この短篇集。
短篇集ではあるけれど、どの作品にも登場するのが「辻堂 環」という不思議な魅力を持った画家なわけで、
この画家に関わった女たちがそれぞれ描かれています。
前に読んだ「美神(ミューズ)」と似ている・・かな?
こちらは共通して登場するのは女性でしたが。
お話としては女性が男性を愛するのに理由や理屈なんかないのだということや、
男性が女性を愛するのもまた同じなのだということはよくわかったし、
(というか、この本を読む前からわかってはいたつもりなんですが)これらの短篇はとても美しく描かれていたと思うんです。
ただ、私は辻堂環のような男は苦手だあ・・・と。
そういう感情を途中から持ちつつ読んでしまったので、
あまりいい読後感は得られませんでした、残念ながら。
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結城信孝氏による解説によれば「著者の自選アンソロジー」ということで、
私は新作かと思って購入したのですがほとんどはすでに読んだものでしたが、
単行本未収録のものや書き下ろしなどもありお得感を味わえました。 小池さんの短編は、表現が難しいですが「そうか、そうだったのかー」というオチがスマートで美しくて、 上手でいつも納得できる終わり方になっているのが好きです。 ▲小池真理子さんの作品一覧にもどる ▲[ゴーゴー!N'sミステリー]TOPにもどる Copyright 2001-2004 (C)ひろみん All rights reserved. |