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◆新津きよみさんの作品の感想文
このサイトの管理人ひろみんが読んだ作品について、ネタバレも時々しつつ
率直に感じたことを書いています。ミステリのマニアではないので、
素人の視点での稚拙な内容になっています。
※女性作家ミステリー・アンソロジー[紫迷宮]に収録 200万円余りの現金が入った袋を拾い、落とし主が現れなかったため そのお金を見事に手にした女性がみるみるうちに転落して借金に まみれ、弁護士である京子のもとに自己破産の申請の相談に来た。 身の上話を聞いているうち、雲行きが怪しくなり、やがて女性は京子しか 知らないはずのことを口に出した・・・。 破産を考えている女性と弁護士の、短い時間の会話というだけの お話なんですが、実に見事にというか、あっという間に形勢逆転し 女性が自己破産の申請をとりやめると宣言します。どういうからくりかは、 読んでのお楽しみなんですが、こういう「ひゃあ、そうだったのかー」を やってくれる新津さん、好きですーーっ。 ▲タイトル一覧にもどる
知美や家族と音信不通になっていた姉の理美が亡くなり、彼女が所持
していたメモに書かれていた友美の住所に連絡が届く。
姉の借りていた部屋の片付けに行った友美は、そこで幼児の白骨らしき
ものを発見してしまう。その他にも様々な、友美の知らない世界や
生き方を思わせる形跡が残され、友美は困惑する。今までのように「ちょっとチープな女性向けミステリー」っぽい(失礼) タイトルでなく、何かスマートな感じがするタイトルだな〜という 最初の印象。購入から読むまでが時間がかかってしまって、そのせいか どうかはわかりませんが、「あれ?」な感じがしないでもない・・・・という 感想でした。 私も、都会でではないですが一人暮らしをしていまして、どちらかといえば 姉の理美に近い立場にいると思います。彼女のように秘密の部分を 多く持ち合わせているとは思えませんが、そうしなければ暮らして いけなかった事情も理解ができます。 新津さんが描きたかったものが、彼女のことなのか、はたまたそれを 姉のことを思ってというよりは、自分の保身のために嘘に嘘を重ねて 隠していった妹の友美の「女の嫌な部分」なのかが、ちょっとはっきり しなかったなーというのが正直なところなんですが、テーマそのものは 私は面白かったなと思いました。 帯に「これはあなたの隣の部屋の出来事かもしれない・・」と あるんですが、いやー、これって私の部屋の出来事にもなりうるかも・・・ と思います。 変なもの部屋においとけないですね。いつ不慮の事故で死ぬか わかりませんから。←そんな程度のコメントしかできないらしい(汗) ▲タイトル一覧にもどる
翻訳業に就いている夏子は、幼少の頃の家庭教師であった金子に
偶然再会する。過去の、金子によってもたらされた憎むべき体験を
えさに、金子は夏子を脅迫するような態度に出る。
金子を殺してしまおうと思いつめながらも、どうしてもできないままに
帰宅した数日後、その金子が何者かの手によって殺害された。うーん、うーん、ホラー文庫ですしね、いいんですよね、こういうのも。 という書き方をすると、いまいちだったのかな?とこれを読まれた方は 思われるかもしれませんが・・・そんなことないです。 にっくき金子を殺したのは誰なのか、夏子が本当は殺したのか、 夏子はやましいところがあるがために、それをうまく隠しつつ あちらこちらに手がかりを求めて、仕事そっちのけで独自の捜査に 乗り出しましたねー。結果真犯人をつきとめたわけですが。 パズルのようにどんどんパーツが埋まっていって、やがて形が 明らかになっていくそのプロセスは、読んでいて楽しめました。 女性ならではの建前を含めた台詞まわしなども、いつも思うんですが うまいな〜と思います。 でも、どうなのかな〜。ラストはね、う〜〜〜ん。 そんなのあり?(このお話に関してはネタバレはまずいかなーと思う ので、書きません。是非皆さん購入して読んでみてください〜) ▲タイトル一覧にもどる
平凡な生活を送っていた主婦・永井純子のもとに、茶封筒が届いた。
紙に包まれて入っていたのは、12年前の恋人との別れの時に落とした
真珠のイヤリングだった。誰が何のために?疑心暗鬼に陥る純子だが・・少し前にアンソロジーに収録されて、まだ単行本には収録されていない 短篇で、「種を蒔く女」というのがありましたが あれと基本的には同じパターンのお話しなのかな〜と思いつつ読了。 一晩で、あまり深く考えることもなく読める一編だったと思います。 内容的には、このお話の中で人も亡くなってるので、笑い話でめでたし めでたしってことじゃないんですが。 うーん、どうなんでしょうね?実際にこの「贈り主」のようなことをする人が そう沢山いるかどうかというのは別にして、送られた立場に立った場合は やっぱり、純子や他の「被害者」同様に疑心暗鬼にはなると思います。 皆それなりに、「いつ人から恨みを買っているかわからない」状況で 生きていると思いますし、身近な人間に疑いを抱いたことがないなんて 人もいないのではないかと思います。 だんだんと追い込まれてゆく女たちの感情の流れが、読んでいて恐ろしく 感じました。ここらへんは新津さんの得意分野なのでしょう。 相変らずすげーなー。という感想です。 ▲タイトル一覧にもどる
※ミステリー・アンソロジー2[殺人鬼の放課後]に収録 塾の講師をしている「綾子先生」は、新しく遠方から入塾してきた 七穂を見て愕然とする。それは、死んだ春美という過去の受講生に そっくりだったのだ。 また、公園で春美が通っていた学校の制服を着た少女の幽霊が 出没するという話を七穂は綾子にする。確かめに行った綾子は、 待ち構えていた七穂から真相を告げられる。 短篇とはいえ、あっという間に終わってしまうこともなく、少しじっくり 読ませてもらえたという感じです。 綾子のほうが私には世代が近いので、彼女の心理もよく理解できたし、 春美や七穂の気持ちも通り過ぎてきたことだから、わからないわけでも ありません。 でも、春美が亡くなったいきさつが結局事故であったということや、 ラストに本当に春美の幽霊が出てきて綾子に恨みを告げようとした(?) ことは、うーん。という感じでしょうか。 ミステリーとしてはちょっと弱いんじゃないかな〜と。えらそうですが(汗) そこそこ冊数を稼ぐと、欲が出てしまっていけませんね。>私 ▲タイトル一覧にもどる
◆彼女が恐怖をつれてくる(短篇集)
※改題された作品のみ最初の収録先を記載しました。[戻って来る女] 友人から紹介された雪子を紹介され、そのまま譲り受けるという形で 付き合い始めた真一。雪子の体は雪のように冷たく、夏に付き合うには 至極便利だったが、その体質と時折見せる不気味な一面に、やがて 彼は雪子と別れたいと考え、あれこれと画策するようになる。 この作品が収録された「雪女のキス」というアンソロジーは、雪女に まつわる新旧織り交ぜた様々なショートホラーを集めたものだったのです が、その多くの作品の中でも霞むことなく、十二分に怖いお話だったと 思います。タイトル通り、真一が別れるためにあらゆる方法を使って 雪子を遠ざけようとするのですが、何故か彼女は真一の元に戻って 来ます。彼を責めることもなく、けろっとした顔で。 それがもう、回を重ねると不可思議を通り越して不気味になり、やがて 恐怖でしかなくなります。 これはラストにもってきても良いんじゃないか?というほどに、私は気に 入ってます。 [時を止めた女] ※[郵便屋さん・タイムカプセル]改題〜「妖かしの宴」収録 小学生の頃に埋めたタイムカプセルを同窓会であけたとき、その前に 不幸な事件で死んだ同級生の手紙として入れられたものが紛失していた。 当時その少女と仲が良かった喜美代のもとに、なくなったはずの手紙が 届けられ、自分娘がその少女の生まれ変わりなのではないかという 疑問が・・・。 ここにも名前遊びのようなキーワードがあります。 「妖かしの宴」はわらべ唄のタイトルのついた短編を集めたもので、 新津さんのこの作品にも冒頭に「郵便屋さん」の歌詞がのってます。 郵便物には必ず差出人と受取人がいるわけですが、何年後かの自分に 手紙を書くというのは、とてもロマンはあるけれど実はとっても恐ろしいこと なんではないかと思います。 [ぶつかった女] クラブで働く「わたし」はバレンタインの日に、そこに泊まれば幸せになれる という「グランドホテル」に向かう途中で誰かにぶつかり、気を失った。 目覚めたとき、「わたし」は記憶を失ってしまっていたようだった。 所持品などからグランドホテルにたどりついたが、そこでわたしを 待っていた記憶とは・・・ 異形コレクションという、一つのテーマにそって書かれたアンソロジーへの 参加作品です。「グランドホテル」というホテルに、バレンタインの夜に 宿泊すると幸せが訪れるという噂の設定も統一されていますが、各々 いろんな解釈で様々なお話を書かれています。 新津さんの「ぶつかった女」は、たしかに女のもとには、グランドホテルに 宿泊したことによって幸せが訪れます。しかし、それは彼女自身にではなく 彼女の身体のみにでした。本当にありそうなコワイお話! [口が堅い女] 「このことは絶対に誰にも言わないで」という口約束を、完璧なまでに 守りつづけた同窓生の和子。友美は、「あのこと」を和子にしゃべらせない ように彼女をいじめた。何故そこまで彼女が秘密を守ることができたのか は、娘の亜矢に語られていた・・・? 新津さんらしいホラーだなと思いました。 自分のふとした失敗を和子に目撃されたことがきっかけで、彼女をいじめる ことになり、ずっと内心では罪の意識にさいなまれていたのでしょうか、 大事な亜矢のお受験の面接の席でそれが爆発してしまうことになるとは・・・ しかも、それが友美にだけ聞こえた幻聴だったとは。 話の本意とはそれるかもしれませんが、罪の意識があるだけまだ友美は 善人なんだろうなと思ったのですが・・・・。 [彼が殺した女] ※[タクシーの中で]改題〜異形コレクション「俳優」収録 ある俳優が山奥で一人の女を殺害し、その帰りにタクシーを拾った。 運転手は俳優のそばに女が見えると言い出し、俳優は恐れをなして車を 降りる。そのタクシーの次の客は一人の女だった。女は運転手に驚くべき 事実を告げる。 「異形コレクション」という、一つのテーマにそって書かれたアンソロジー 「俳優」への参加作品です。タクシーの運転手が、乗ってきた男から殺気を 感じ、見えないものを見えるという「演技」をします。殺されるのが 嫌だから、そう言って男を怖がらせて車から降ろしてしまおうとしたこと です。でも、その運転手は自分が死んだことを自覚できないでずっと タクシー乗務を続けていたのでした。それを教えてくれたのが、男に 殺された女の幽霊でした。短いけれどぞっとさせられる「怪談」でした。 [卵を愛した女] ※[卵]改題〜「憑き者」収録 高校の同級生であり、卵を題材にした「エッグ・アート」に没頭していた 玲子と偶然に再会し、自身のコックとしての夢である卵料理のレストランを 二人で開店する計画が持ち上がった里美。 自分は排卵がなく子供ができないと思い込んでいたからこその玲子の 提案であったが、ある日彼女が妊娠したことが発覚し、計画が中止になる。 里美がとった行動は・・・。 排卵=卵を作るという女性ならではの機能を題材にして、食べるほうの 「鶏卵」と組み合わせてうまく作られたお話だなと思いました。里美に 嫌疑をかけ、自首をすすめるために里美の部屋を訪れた刑事の 真知子が、彼女の作ったオムレツを食べるところからお話は始まります。 里美が玲子を殺害するに至った経緯から、真知子の食べたオムレツが 実は何の卵だったのかを想像し、ゾッ というより、ちょっと食事前には 読めないなという感じですけども(汗) 十分に里美の卵に対する、恐ろしいまでの愛は伝わってきます。 [結ぶ女] 口の中でサクランボのへたを結ぶという特技を持つわたし。それが きっかけとなってある妻子ある男性と不倫の関係に陥る。 形ある贈り物をしてくれない彼に、わたしは何かを結ぶことにより確かな つながりを見出そうと、あらゆるものを彼に結ばせる。 そんな時に彼の妻が現われ、数百個のサクランボを食べてへたを結べる ようになったことを伝える。 自分だけの特権はもうないと嘲笑され、彼との別れを予感したわたしは、 最後の「結び目」を残して欲しいと願う。 ・・・・こういうラストシーンを迎えるお話って、多分そう少なくはないと思うん ですが、ファンの贔屓目なのかどうかは別にして、新津さんの短篇って 面白いなあと理由もなく思うのが、こんな感じのお話を読み終えた時 なんですね。ただ怖いというだけでなくて、悲しいまでの女の切なさとか 愛とか、言葉で表現するには足りない深いものもちゃんと伝わってくる ような。実際にこんな「わたし」みたいな女性いたらそりゃあ、怖いです けど(苦笑) [猫を嫌う女] 猫のすべてを見透かしたような目が苦手で、実家に足が向かない恵子。 たまたま気が向いて、昔の男が結婚して住んでいる住宅地の近くに行って しまった日に、よりによってその妻が殺害された。偽のアリバイ証言を自ら した、恵子のたった2冊の著作のファンであるという由美は、恵子との 秘密を持ちたがり、執拗に恵子の生活に立ち入る。 真犯人が逮捕されて、アリバイ確保が必要でなくなると、恵子は由美を きっぱり排除したが・・・ 私も猫はどちらかというと苦手なので、恵子の気持ちはわからないでも ありませんが、このお話は、猫になんとなく感じられるねちっこいような 雰囲気というか(もちろんこれは猫好きの人には失礼な表現なので しょうが)、それが恵子の過去の猫への虐待の罪悪感や恐怖が、由美と いう女性の出現によって一気に放出されたというか、どんどん渦に 巻き込まれてゆくような恐怖を感じました。 ▲タイトル一覧にもどる
夫の浮気が原因で離婚し、夫に探してもらった住居での再スタートを
切った恵子のもとに、夫の母・妙子が押しかけてくる。
一緒に暮らすと言う義母を突っぱねると、彼女は「結婚する前の
あなたの秘密を知っている」と言った。
身に覚えがある恵子は拒否できず、妙子との暮らしを始めるが、
やがて彼女の異常な行動がエスカレートする・・・400円文庫ということで、紙質もそれなりのものだなという、内容に全く 関係のない感想をまず感じつつページめくっていきました。 でも、どんなに上質紙であっても内容が面白くなければ話にならない ので、そういう意味でいくと私にとってのこの本は当たりだったと いえると思います。 恵子の過去の犯罪が暴かれるかもしれないという恐怖感と、妙子が だんだんと狂っていこうとする段階の行動の恐ろしさ、オチもオッケー だったと思います。妙子が恵子の犯罪をどうやって知ったのかが 最後まで明かされないままだったのも、むずがゆい気持ちは 残りましたが、良かったと思います。そして妙子が壊れてしまっても なお、妙子をお義母さんと呼び、彼女が握っている恵子の秘密を何とか して知ろうとする恵子のガッツ(笑)も私的にとても自分に似たものを 感じます。 ただ、妙子の担当の医師が偶然にもあの彼だった・・・というのは 話がうますぎるかな?せっかく名前のからくりで楽しませてもらった のに、とほんの少し残念な気もします。 それでもさらさらさらっと読めて満足させてもらいました! ▲タイトル一覧にもどる
◆そばにいさせて(短篇集)
[血液型占い]血液型占いに凝っていた友人と交際していた男性と結婚し、表向き 幸せな環境で結婚生活を送る能理子。満たされない体を持て余し、 過去の恋人と関係を持ってしまいます。 オチとしてもお話のパターンとしてもあちがちではありますが、 デビュー直後の作品ということもあり、当時は少女小説っぽいものを 書いていたはずの新津さんにしては、珍しい作風だったのではないで しょうか?非常に短くてわかりやすいお話だったので、これ以上書くと ネタバレになるので省略(笑) [胎教] マタニティ雑誌の編集をしている淳子が交際している宇山が、ある 殺人事件の容疑者として挙がる。アリバイ証明に欠かせない妊婦の、 妊娠中ゆえの症状によって宇山の過去が明らかになります。 どういうラストになるんだろう、とあれこれ想像しながら読みましたが、 これもまぁありがちといえばそうでした。ですが、妊婦さんならではの? 症状などを利用しているあたりは現在の作風に近いものがあって、 違和感はなかったです。 [近況報告] 学生時代からの親友である志織と博子。博子の結婚から離婚、新しい 愛人を殺害して逃亡生活を送り、整形などの逃亡費用を志織に 要求する様子が、博子からの手紙という形で語られています。 やがては志織の独白のような形と、博子にあてた手紙で事件の全容が 語られるのですが、なかなか面白かったと思います。 読みなれている方ならば、オチもおそらく予想はつくのでしょうが、 私はラストで「う〜ん そうかぁ」と唸りました。 [大人の作文] 東京から長野に引越し、娘の学校独自の活動で「母親文庫」なる 文集に執筆を強制されたみどり。ライバル視している京子の投稿が 新聞掲載されたこともあり、何を書くか悩んだ挙句、「あれ」が閃いた。 きっと新津さんご自身もこういった経験をされておられるのでしょうね、 これを書かれた時点ではまだお子さんはそんなに大きくはなかった かと想像しますが。 私自身、ネットを始めてから文章を書く機会がぐっと増えました。 そんな中で、ネタに困る時も正直ないとはいえません。そういう時には、 みどりのような方法で乗り切ることもないとはいえないかも・・・?? 実に楽しいお話でした。 [行方] 夕子と智恵は娘が同い年で、家族ぐるみの交流をしている。智恵の 夫と夕子が昔恋人同士ではあったが、関係は切れている。しかし、 二人には秘密があった。 夕子がその「秘密」となった事件をきっかけに、忘れ物や落し物に 異常なほどに気を配るようになっている・・という説明からお話が始まり ました。私のように常々誰それが殺されて犯人がどうで、といったお話 ばかりを選んで読んでいる人間としてはもう、一体どんな事件だったの かしら!と鼻息も荒くという感じで期待していたのですが、その期待から すれば、少々拍子抜けではあったかもしれません。 でも、私が実際にそんな事件に遭遇したら、それはやはりうろたえるに 決まっているのですが。そのことよりも、智恵の怖さが際立っていたかも しれません。 [そばにいさせて] 痩身サロンと美容整形によって生まれ変わったゆかりの元に、その きっかけを作った男・黒崎が現われる。ストーカーと化した黒崎に 恐怖を感じ、隣に住む女性・茂原に助けを求めるゆかり。やがて、 茂原の立会いのもと二人の話し合いの機会が持たれることになるが・・・。 うう〜ん。そういうオチでくるかっ!くぅ!というのが最初の感想です (どんなんや)。黒崎が徐々にストーカーとなっていく様子は、まるで ストーカーに遭ったことがあるかのように怖さが伝わったし、茂原が ゆかりに自分の目的を告白する場面も、もしかして新津さん、そんな 迫られ方をされたご経験が??(爆)と勘ぐってしまうくらいになんだか リアルに感じられました。 [運を捨てた女] 姓名判断による画数の悪い相手と結婚したことによって、見事に いいことがない人生を送っている丘、旧姓奥山景子。婚家で揉め事や 喧嘩があるたびに実家に戻っていたが、妹が継いでいる実家に 居場所はなかった。 そんなある日、パートに出たクリーニング店で、景子は客の背広から 「奥山景子」の名刺を発見する。 いやぁ、これ面白かったです!名前の偶然というパターンは 「同姓同名」などでもありましたが、これは姓名判断から始まっていて、 私も常々不運を嘆いている人間の一人として(笑)興味深く読ませて いただきました。最後に景子が夫に言うセリフが全てを物語っていて こんな言い方もへんなのですが、何故か勇気が出てしまいました。 [指の共犯者] 父が背負った借金を肩代わりしてくれた康弘と結婚した妙子。 夫婦生活にやりきれない不満を感じていたある日、学生時代の 一時期にレズとしての関係を持った彩香に偶然出会う。現在は全く そんな気がない妙子に、綾香の存在は不気味にうつり、綾香から不信な アリバイ工作を頼まれても断れなくなってしまう。 アリバイ工作の際の妙子の手際がやたら良かった(笑)のが気には なりましたが、その夜起こった事件をきっかけに夫に失望し、 お互い様的な方向に走ってしまう多少自暴自棄にも感じられる 妙子の心理は、理解できるような気がしました。 しかしこのタイトルはエロチックな感じで、私の好みですねえ(笑) [女の部屋] 新聞の投稿欄に掲載された梶井寿美子の元に、萩野千佳子と名乗る 女性から手紙が届けられる。自分の部屋に関しての話題が きっかけで二人は文通を始め、やがて寿美子は千佳子を養女に 迎え入れる決心をするに至る。 これはミステリーとは言いがたい、新津さんには珍しいタイプの短篇 でした。二人の女性が登場→何かトラブルが起こり事件に発展する のだろうなという心づもりで読み進めていた私にとって、あまりにも 驚きの結末で、同時にとても切ない気持ちになりました。 新津さんにはもっともっと、こんな感じのお話も発表して欲しいです。 もちろんミステリーも大好きですが。 [無視する女] 美智子と理沙は同じニュータウンに住む主婦仲間。娘同士も仲良し だったが、ある日突然、理沙が美智子を無視するようになる。 戸惑う美智子は夫に相談し、原因の見当をつけて自分も無視する ことに決めるのだが・・・ うーん。ごめんなさい 私これはわからなかった(笑)ラストで 現われるのは一体誰?というだけでなく、理沙が美智子に抱いた複雑な 感情は理解できるんですが、それが何故無視することに行き着くのかも 今ひとつで・・・。私が今、そういった同じ世代の女性と、毎日顔を 付き合わせる生活をしてないからかもしれないのですが。 種あかしをどなたかにお願いしたいです(汗) ▲タイトル一覧にもどる ▲[ゴーゴー!N'sミステリー]TOPにもどる Copyright 2001-2004 (C)ひろみん All rights reserved. |