山村美紗さんの作品の感想文
ミステリタウンさんに書き込んでいるもののバックアップです。

Amazonで購入出来ます 検視官江夏冬子が活躍するシリーズ。といっても今回は彼女は一登場人物にすぎないという 印象でした。
というのは、京都の時代祭で「紫式部」に扮した芸妓が殺されたところから ストーリーが始まるのですが、その後次々と多くの人が殺されるのを冬子が阻止したわけでもなく、 ただただ傍観、そして最後に推理という形で締めくくっていたからです。 真犯人やその周囲の人間が勝手に始めて勝手に終わった事件じゃないの?とも思えるもので、 あまりにも多くの人が死んだこともリアリティがなさすぎて少々違和感がありました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 麻子がガイドをしていたフィリピンの貿易商の男が殺された。 一番に容疑者として取り調べを受けた麻子は、夫でルポライターの一郎と共に事件の取材を始めるが・・・。
山村美紗さんの比較的初期の作品と思われるものは面白いものが多いと思う、 ということはしつこいくらいに書いているのですが、これもその1つと思います。 海をまたいだ壮大なテーマだからというのでなく、人物間のつながりや動機、 気持ちの動きに不自然さがなく、素直に感情移入できるからです。 ラストも麻子と夫の関係がどうなるかを読者に想像させる、 あるいはぼかしたような雰囲気で終わっていて、 下世話なサスペンスドラマのラストシーンのような白々しさがなくて好きです。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 見合い結婚の人妻がひょんなきっかけで知り合った独身の弁護士と不倫の関係に陥り、 その後その弁護士が殺されたことから事態は複雑に・・・。
ラストであっと驚く?結末が用意されてはいるのですが、 そこに至るまでに嫌というほど主人公の女性の浅はかさを見せ付けられたようで、食傷気味です。 長いお話でしたが、読むのが苦痛で途中は何度も飛ばし読みしてしまったほど。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 旧家である十條家の当主が殺され、通夜の晩に倉が火災に。国文学を学ぶ学生の香子は、 父の死の真相がこの事件と関係があると知り、兄やその友人と共に事件を推理する。
・・・大学内の昇進や紫式部の謎に関する説を裏付ける資料をめぐる争いが発端となったストーリーです。 その世界に身をおいたことのない人間には少し理解しかねる動機ですが、 まあそんなものなのかも・・と無理やり納得しておきます。 トリックに関しては特に感心したものはありません。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 名探偵キャサリンシリーズ。キャサリンと浜口が資産家の未亡人の豪邸に招待され、晩餐会が催された。 その時養女の1人が殺され、その後も養女が次々に襲われる。
・・・そして誰もいなくなった、じゃないけれど、 最後に残った人が犯人という考え方をして推理していると間違ってしまいます。 誰が真犯人だったのかは普通に読んでいればわかりますが、 最後にはあっと驚く真実のおまけつきで楽しめました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 大学を卒業したら結婚の話になるとばかり思っていた恋人に別れを告げられ、 失意の由美は男性不信に陥っていた。しかしある日、大手企業の御曹司との縁談が起こる。 一方で学生時代の先輩とも恋愛関係になるが・・・。
・・・思わず途中を飛ばし読みしてしまった、私にとっては面白くない作品でした。 由美が不利になるような出来事や殺人事件が起こり、突然昔の恋人が現れて事件を一緒に解決、 よりまで戻してしまうというご都合主義さ。事件のトリックも旅館の地下道を使うなどやや強引で、 行き詰ってたのかなあと余計なお世話をやいてしまいます。 ストーリーそのものは騙し騙されという流れでせっかく良いのに、 男女関係の描き方があまりにも稚拙な感じがして興ざめしました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 推理作家&ニュースキャスターを兼任する沢木麻沙子シリーズ。ドラマ化もされた作品で、 大阪のテレビ局のレポーターが誘拐された後浜名湖で遺体となって発見されるという事件を皮切りに、 資産家である彼女の家の人間が次々に命を落とす謎に麻沙子が挑むというもの。
犯人は誰なのか、動機は何なのかという事件の本質が二転三転し、 結局最後の最後まで真犯人ははっきりわかりませんでした。 それがミステリーの面白いところとはわかっているのですが、 記憶喪失になっていたリカという女性を助けた人物が全く事件とは無関係の善人だったことはややご都合主義というか・・・。 それももっと絡ませた方が面白かったのになあと思いました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 父親の店の支店である宝石店を任されている朝吹は、商売柄女性を見る目が肥えている。 色々な女性と遊び、そろそろ身を固めたいと思っていた。 そんな時に出会った美しくて聡明な女性と食事をした夜に、 朝吹と関係のあったホステスが殺されるという事件が起こり、彼自身が疑われることに・・・。
次々に関係があると思われる人間が殺され、そのたびに朝吹が疑われるという設定でしたが、 いつかの証券マンのお話(タイトルを失念しました)の時のようではなく、 朝吹は少しはましな男だったように思います。女性客への接し方など、 男性側からそのように見られているのかなあと思わせる描写もよく研究されているなあと。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 推理作家でニュースキャスターも務める矢村麻沙子が、京都放送のスタッフ達と事件を推理、 解決するシリーズ。どちらが先なのかわかりませんが、 同じ設定で担当する番組名が思いっきりかぶる「沢木麻沙子」シリーズというのもあります。 キャラもかぶるので私の中では同じものとして読んでいますが、 そのシリーズの中では1,2を争う出来と思える作品なのではないでしょうか。 重要文化財への落書き、その落書きされた名前の人物の死、8年前の一家惨殺事件と新興宗教・・・ バラバラの事件に麻沙子が勇気をもって挑み、解決する様はとても頼もしくわくわくしました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 京都府警の橋口警部補の妹・舞子が北海道で医師をしている中山と結婚することになった。 しかし、舞子は結婚式の翌朝立待岬で死体となって発見される。 橋口は私情を交えながらも必死に捜査を進めるが、次に容疑者の1人だった女性が殺される。
・・・いつもは狩矢警部の補佐として脇を固める橋口さんを深く掘り下げた珍しい作品です。 初期の頃によく「いかつい大男」というように描かれていましたが、 この作品では容姿は描かれておらず、 セリフや感情の動きを見た限りでは繊細な面を大いに持った男性という印象を受けます。 事件そのものは、舞子の夫となった中山の女遍歴が不幸を招いたというもの。 さんざん色々な人物が容疑者として上がって読者を惑わせようとしてくれるのですが、 普通に生きている若者をそんなに恨む人が多くいるというのは不自然な感じがしました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 京都駅に遠距離恋愛の恋人を見送りに行っていて知り合った麻子とまゆみ。 まゆみは不倫の恋人を麻子に誘惑するようにけしかけるが、ある日その恋人が殺されてしまう。
・・・株をテーマにした作品は多いのですが、 私自身が株の経験がないせいかどれもあまり好きではありません。 殺人事件が株と絡み合う意味もわからないではないのですが、 この作品の場合は全く無関係なところで動機が生まれていたのでちぐはぐな感じがしました。 主人公である麻子の恋人と新しく現れた男性との間で揺れる心の描き方もかなり適当で、 共感も出来ません。トリックそのものも素人読者でも見破れるようなもので、 なんともいいところを感じられないまま終わってしまった感があります。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます キャサリン&浜口の2人が事件を推理、解決するシリーズ。 キャサリンも行ったことのあるヘアサロンの顧客が続けて殺され、 次にはキャサリンの担当だったヘアデザイナーが。2人は狩矢警部や橋口警部補に付いて奔走する。
・・・この作品は初期〜中期の頃のものと思うのですが、 まだ浜口が保守的なつまらない男になる前なので、 キャサリンの暴走を頭ごなしにとがめないでスマートに助けている雰囲気があり、 読者としても楽しく読めます。キャサリンのセリフひとつとっても、 アメリカ人であるという設定をちゃんと意識しているものが多いです (後期のそれはワイドショー好きのオバサンのようなものが多かったような)。 事件そのものの動機は比較的単純な気がしましたが、 トリックもいくつもあって推理のしがいがありました。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 鮎子の恋人・北条和彦が新幹線の中で毒殺された。 北条は鮎子に会いに東京に来て京都に戻る車中だったことから鮎子が疑われ、 京都に婚約者までいたことがわかる。鮎子は真犯人を突き止めようと周辺を探り始めるが・・・。
白い猫が殺される謎、腎臓売買をしているらしい組織、そして北条家の複雑な家族構成。 一見無関係に思えるキーワードがすべてつながる時の快感は味わえてよかったのですが、 例によって鮎子に都合のよいようにストーリーが進んでいくのがやっぱりどうも納得しかねてしまいます。 山村美紗さんの作品の悲劇の主人公は、常に美女であるという設定に飽きてきたのかもしれません。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます フリーのカメラマンである兄が行方不明になったのを受け、足取りを追い始めた妹の梨花。 手がかりと思われた女性は殺され、やがて兄自身も遺体となって発見される。 梨花は偶然知り合った新聞記者の笛木の協力を仰ぎ事件の真相を探り始めるが・・・。
兄が殺されなくてはならなかった理由、つまり事件の真相ですが、それはいわゆる社会派系の内容で、 男女間の恋愛のもつれなどでなかったことは良かったと思います。 (男女間のアレだとワンパターンすぎて楽しめないのです)ただ、 事件を探るのに待ってましたというように新聞記者さんが現れ、 恋愛感情まで芽生えるというのはなんとも・・・。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 「ミステリアス古都案内」というサブタイトルがついていますが、簡単に言えば京都のガイドブックを 山村美紗さんが編集されたという企画本です。
文庫ながら巻頭にはカラー写真が盛り込まれ、文中にもふんだんに写真は使われています。 名所旧跡や飲食店などをわかりやすく案内してくれていて、連絡先、定休日も掲載。おまけに 山村美紗さんの作中に登場したシーンが抜粋して掲載されているという念の入れよう。大変素晴らしいです。
初版が1991年なので、今では情報としては古くなっているものが多いかも知れませんが、 この本を片手に時間の許す限り京都めぐりをしてみたいなと思わせられます。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 男と女の絡み合った愛憎劇も多く手がけた山村美紗さんが恋愛指南書ともいえる一冊。 現在恋愛中の人もそうでない人も一読すると目からウロコかもしれません。
ごくごく当たり前に思えることが並んでいるのですが、恋は盲目とはよくいったもので・・・ 恋愛中にこんなに多くのことを冷静に計算するなんて、と思うところもありますが、 細かく比較表などまで用いて実に様々な分析がなされていて驚きです。ここまでしないと いい男はつかまえられないということでしょうか?(笑)
▲タイトル一覧にもどる

光文社文庫オリジナルのエッセイ集。『ミステリーに恋をして』に続き、色々なメディアに 掲載された美紗さんの文章がまとめられているものです。残念ながら中古市場でもなかなか 入手しづらい状況にあるようで、たまたま見つけて買えたのが幸運だったというしかありません。
こちらも大まかに「今を推理する」「推理作家の日常」「推理小説を語る」の三章に分けられ、 美紗さんの小説とはまた違った率直で意外な一面、小説からも見られる完ぺき主義的な一面などで 楽しませてくれます。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 光文社文庫オリジナルのエッセイ集。色々なメディアに掲載された美紗さんの文章が まとめられているものです。「まえがき」にもあるように、内容がだぶるものも多く見受けられますが、 それはいかに美紗さんが多くのメディアから依頼を受けていたかを物語ると思います。
大まかに「女はミステリー」「私にまつわる事件」「京都と殺人と」の三章に分けられ、 普段の小説の世界ではまず見られない美紗さん個人の生活の部分を覗き見できたり、 美紗さんも一人の市民だと実感させられるような素朴な本音など、文面そのものの内容は もしかしたらさほど重厚なものではないかもしれませんが、ファンにとっては貴重なものです。
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 山村美紗さんが株をされていたというのはファンの方ならばどなたもご存知のことで、 小説の中でも多くの登場人物が株に関わっていました。そんな美紗さんが、ご自分なりの持論(推理を交えることなど)でもって 株のススメ的な本を書かれたのがこれ。 株をしない人間にはサッパリ理解ができずに斜め読みしてしまいましたが、 美紗さんのファンで、なおかつ株もされる方には夢のような本だったのではないでしょうか?
(なかなか入手がしづらい状況にあるようですが、2005年2月現在ではamazon.co.jpで ユーズド品が出品されているようです)
▲タイトル一覧にもどる

Amazonで購入出来ます 昭和2年にデビューし、「二枚目」にこだわって大衆芸能の世界に君臨し続けた長谷川一夫。 彼の生涯を、母が一夫のいとこにあたる美紗さんが小説に描きました。
私自身は長谷川一夫という俳優を名前しか知らず、顔もこの本で知ったくらい。 全くリンクしない世代の人という印象で、興味もなく購入後も長い間読まずに放置していました。 でも読んでみると、彼の「君臨することへの執着」を隠さない貪欲な姿勢に惹かれ、 ページをめくらずにはいられなくなってしまいました。
▲タイトル一覧にもどる


▲[ゴーゴー!N'sミステリー]TOPにもどる
Copyright 2001-2004 (C)ひろみん All rights reserved.